日本では、私たちが口に入れることが出来るものは「食品」か「薬」である、と言うことになっています。「医食同源」と言う言葉がありますが、今は「食品」は食べることで何らかの効果があると謳ってはならず、一方で「薬」は長い時間と手間をかけて効果があると示さなくてはなりません。
その中間に位置するとされたが「栄養補助食品」です。「ビタミン」「ミネラル」「他の食品」の3つに分類される栄養補助食品は、何度か制度の改正を経て、現在では「毎日の食事では十分に摂取できない栄養素を補うための食品」と言う位置づけがされています。
以前は栄養補助食品は機能性食品と呼ばれていましたが、機能を表示できる食品として1991年に「特定保健用食品」の制度化が行われました。後に厚生省は「いわゆる栄養補助食品についての検討会」を発足、2000年の中間報告の中で「いわゆる栄養補助食品」は「ビタミン」「ミネラル」に限定されることになりました。
人々の健康と食の安全への関心が高まる一方、数多くのいわゆる健康食品や栄養補助食品の中から、消費者が安全な製品を選べるよう、保健機能食品制度が創設されました。
この制度では、健康食品を「健康の維持増進に役立ち、特定の保健の用途を資する」ことを目的とした「特定保健用食品(トクホ)」と、「1日に必要な栄養成分を取れない場合に、その補給・補完のために利用する」ことを目的とした「栄養機能食品」に分けられ、含まれた成分、1日あたりの摂取量の目安や上限、摂取方法などの表示をすることが求められています。
このように制度の移り変わりとともに食品と薬の中間に位置する製品の呼び方は様々なものが定義され、その中で「栄養補助食品」と言う名称は国の制度からは消滅しましたが、特定保健用食品やサプリメント、健康食品と呼ばれるものを含めた用語として、現在も一般で使われています。
多様な製品が存在する栄養補助食品ですが、あくまで「補助」。基本はいつもの食事に気を配り、また過剰摂取にならないよう注意したいですね。